雨漏り修理・屋根修理は雨漏りレスキューへ!!

屋根の形状

屋根の先生

屋根の形状は12種類!メリット・デメリットと意外な落とし穴を紹介

普段注意深く観察することがないので、あまり馴染みのない「屋根」。中には屋根なんてどれも一緒じゃないの?という方もいらっしゃるかもしれません。しかし日本には多くの屋根があり、大まかに分けると「12種類」も存在します。そしてそれぞれの屋根で特徴が違いますので、近いうちにマイホームを建てるのであればぜひとも知ってほしいところです。なんでもいいやはできれば避けたいところ…
ということで本記事では屋根の形状について特徴やメリット・デメリットを解説していきます。

12種類の屋根

日本には12種類もの屋根が存在し、それぞれで形状や特徴が違います。地域や目的によって全然違う形状になるということも珍しくありません。マイホームに合った屋根は何があるか説明を見ながら考えていきましょう。

切妻屋根(きりづまやね)

切妻屋根写真

切妻屋根は、屋根を想像したら一番目に出てきそうな形状をしている屋根です。三角形「△」をそのまま乗せたような形が特徴的ですね。世界的に見られる形状の屋根であり、日本でも古くから親しまれています。別名で切妻造(きりづまづくり)とも呼ばれることがあります。

  • メリット
    • コストが安くメンテナンスがしやすい
    • 丈夫で雨漏りの心配が少ない
    • 多くの屋根材が使用可能
    • 水はけがよく雪が降る地域との相性がいい
  • 切妻屋根はとてもコスパがよく多くの家屋で採用されていますので、無難に仕上げたいという場合にはピッタリですね。
  • デメリット
    • 片方の面は太陽光や雨などが直接当たるので劣化しやすい
    • 東西方向を向いている場合太陽光発電との相性が悪い
    • 似たデザインが多いため周囲と被りやすい
  • 似たデザインが多いので個性が出しにくいという点はデメリットでもあります。

寄棟屋根(よせむねやね)

寄棟屋根

寄棟屋根は4方向に傾斜がある形状の屋根です。「大棟(おおむね)陸棟(ろくむね)」と呼ばれる頂点の水平と、傾斜のある「隅棟(すみむね)」の2つで構成されています。切妻屋根と同様に古くからある形状の屋根であり、同じくらい有名な屋根の1つですね。またこちらも切妻屋根と同様に「寄棟造」と呼ばれることもあります。

大棟、陸棟、隅棟
  • メリット
    • 4方向に棟があるので耐久性が高い
    • 雨や雪を分散して流せる
    • 全ての方向で外壁を雨風・紫外線から守れる
    • 落ち着きのある印象が作れる
  • 4方向に傾斜があるので雨や風などの影響を緩和できます。
  • デメリット
    • 「かきあい」という大棟と隅棟の取り合い部分ができるため雨漏りの可能性がある
    • コストが高い
    • 太陽光パネルが設置しにくい
    • 寄棟かきあい
  • コストが切妻屋根と比べてコストが高くなるのと、かきあい部分の雨漏りが心配されます。

半切妻屋根(はんきりづまやね)

半切妻屋根

半切妻屋根は切妻屋根の上部に寄棟屋根をくっつけたような形状をしている屋根です。建築基準法により高さ道路斜線制限がある場合などに使用されることが多いのが特徴ですね。また半切妻屋根は「隅切り屋根」、「はかま腰屋根」、「ドイツ屋根」と呼ばれることもありますので、様々な呼称があるのも特徴の1つですね。ドイツ屋根というのは、その名の通りドイツに多いからです。

  • メリット
    • 建築基準法に触れない施工が可能
    • 屋根が高く理想の間取りにしやすい
    • シックな屋根にできる
  • 広いスペースが魅力的です。
  • デメリット
    • 棟が多く雨漏りの可能性がある
  • コストが切妻屋根と比べてコストが高くなるのと、かきあい部分の雨漏りが心配されます。

片流れ屋根(かたながれやね)

片流れ屋根

片流れ屋根は、屋根が一方向に向かって傾いている形状の屋根です。切妻屋根の半分バージョンともいえますが、より「スタイリッシュ」に仕上げることができ近年は人気が高まっています。高い位置に窓を付けられることからのっぺりとしやすい印象の平屋との相性がよく、片流れにするためあえて平屋にする方もいらっしゃいます。

  • メリット
    • コストが安くメンテナンスがしやすい
    • デザイン性に優れており個性が出しやすい
    • 太陽光パネルとの相性良し
    • 屋根裏の空間が広い
    • 雨樋が少なくすむ
  • コストを抑えつつ、スタイリッシュに仕上げられるのが強みですね。
  • デメリット
    • 雨風に弱い(主に台風)
    • 雨樋が少ないので豪雨時は故障の危険
    • 屋根が高いため近所の日照時間が少なる可能性あり
  • 傾斜が一方向しかないので、台風時などは緊張が走る場合があります。

方形屋根(ほうぎょうやね)

方形屋根

方形屋根は一点から4方向に向かって傾斜のある「四角錐」の形状をした屋根です。形が同じなのでピラミッド型といわれる場合もあるかもしれません。方形屋根は寄棟屋根の一種であり、形状も似ていますが水平に伸びる「大棟」がありませんので間違えないようにしましょう

  • メリット
    • 4方向に棟があるので耐久性が高い
    • 和風の家との相性がいい
    • 雨や雪を分散して流せる
  • 和風な家に仕上げたい場合は相性がいいですね。
  • デメリット
    • 頂点に下り棟が集まるため「かきあい」が多く雨漏りをしやすい
    • 太陽光パネルが設置しにくい
    • コストが高い
  • かきあい部分の雨漏りリスクがあります。

入母屋屋根(いりもややね)

入母屋屋根

入母屋屋根は4方向に傾斜のある、寄棟屋根と切妻屋根のハイブリッドのような形状の屋根です。上部が切妻、下部が寄棟といった形ですね。地方に多い形状の屋根であり、大きい家屋に採用されていることが多いため格式高い印象を与えます。こちらは「入母屋造(いりもやづくり)」と呼ばれることもあります。

  • メリット
    • 4方向に棟があるので耐久性が高い
    • 和風な家との相性がいい
    • 屋根裏の断熱性、通気性が高い
    • 屋根材の「瓦」との相性がいい
  • 上記4つです。
    地方に多く見られますが、地方限定というわけではありません。
  • デメリット
    • コストが高い
    • メンテナンス費用が高い
    • 棟の接する面が多く雨漏りの可能性がある
  • 上記3つです。コスト面でのデメリットが多いですね。

陸屋根(りく・ろくやね)

陸屋根

陸屋根は勾配がほとんどなく平たい形状をしている屋根です。本来は屋根である部分をベランダのような感覚で使用できるので、近年人気の出ている形状の屋根ですね。すっきりとした印象もあるのでスタイリッシュといえます。しかし傾斜がないということは「雨や雪が溜まり」やすいということなので、いくら排水管などがあっても「豪雨」などが続く地域などではあまりおススメができない屋根です。

  • メリット
    • 屋根のスペースが使える
    • メンテナンスが楽に行える
    • スタイリッシュな印象
    • 太陽光パネルの相性がいい
  • バーベキューなどで使いたい方などにはぴったりかもしれません。
  • デメリット
    • 雨が貯まりやすいので水はけが悪い
    • メンテナンスを頻繁に行わないといけない
    • 断熱性が低い
  • 上記3つです。雨が溜まりやすいのは避けようがないので対策が必要です。

差し掛け屋根・招き屋根

差し掛け屋根

差し掛け屋根・招き屋根は屋根が2段になっている形状の屋根であり、切妻屋根を上下に分けたような形が特徴的な屋根です。屋根の中でもひときわ目立つのが差し掛け屋根・招き屋根ですね。といっても上下に豪快に分けなければいけないわけでありませんので、屋根間の間隔などは相談して決定が可能です。

  • メリット
    • 風に強い
    • コストが安い
    • ロフトなどに向いている
    • グラデーションがキレイに収まる
  • コストが安く、色のバランスを整えやすいのが特徴です。
  • デメリット
    • 外壁と距離が近く雨漏りのリスクがある
    • 複雑な構造の家の場合は不向き
  • 複雑な構造の場合は不向きです。

越屋根(こしやね)

腰屋根

越屋根は屋根の上にさらに小規模の屋根がついている形状の屋根です。切妻屋根+切妻屋根といったイメージになります。上部の屋根を風が通過することにより、下の室内の空気が押し上げられ何もせずとも換気をすることができる特徴などがあります。一般の住宅ではあまり採用されることがないのも特徴の1つですね。

  • メリット
    • 通気性が高い
    • 窓の設置により採光が可能
    • 大きい家との相性がいい
  • 通気性がよく換気しやすいのが特徴です。
  • デメリット
    • 棟が多いので雨漏りの可能性がある
    • コストが高い
    • メンテナンスに時間がかかる
  • コストが高くメンテナンスに時間と技術がいるのが難点です。

バタフライ屋根

バタフライ屋根

バタフライ屋根は中央が低く、両端が高くなっている形状の屋根です。その名の通り蝶やバタフライ泳法のような、中心に向かって低くなる形が特徴ですね。また似た形状を持つ「スノーダクト式無落雪屋根」というのもあり、こちらは降雪量の多い地域で雪が近隣に落ちないように配慮をした屋根となります。個性的な形になりますが雪国の北海道ではわりと有名な屋根の1つです。

  • スノーダクト式無落雪屋根
  • スノーダクト式無落雪屋根
  • メリット
    • 通気性をよくすることができる
    • 落雪作業がない
    • 個性的なデザインにすることができる
  • 降雪量の多い地域では重宝するのではないでしょうか。
  • デメリット
    • 中央がへこんでいるので雨漏りをする可能性がある
    • 雪の重みで屋根がへこんでしまうことがある
  • 雪も解けると水になりますので雨漏りのリスクはあります。

鋸屋根(のこぎりやね)

鋸屋根

鋸屋根はのこぎりの刃の形に似ている形状の屋根です。工場などで採用されることが多く、採光の目的でギザギザした形にしたと言われています。こちらは屋根の紹介として挙げたので一般住宅で採用されることはほぼありませんが、別荘を建設する場合などは趣があるので検討してみてもいいかもしれません。

  • メリット
    • 採光面で優れている
    • 個性が演出できる
  • 採光面が優秀なので、電力節約の効果があります。
  • デメリット
    • 工場のイメージがある
    • 結合部で雨漏りの可能性がある
  • ほとんど一般の家では採用されません。

錣屋根(しころやね)

錣屋根

錣屋根は寄棟屋根の上部に切妻屋根を乗せたような形状の屋根です。こちらも鋸屋根と同じく屋根の紹介として挙げたので一般住宅に採用されることはほぼなく、お寺などで見かけることが多いですね。錣(しころ)とは兜やずきんの後ろなどに垂れて首を守るものとなります。

  • メリット
    • 厳格な印象を与えられる
  • デメリット
    • 雨漏りの可能性がある
    • コストが高い
  • こちらも同様に一般の家では採用されていません。

意外な落とし穴とは

落とし穴

意外と種類が多いと感じたかもしれません。似た形状であっても多少の変化があれば別物となることも多く、特徴も変わるので面白いところです。さてある程度の知識がついたところで実は意外な落とし穴があることを伝えなければいけません。それは屋根の形状は「法律」によって採用できない可能性があるということです。文中に建築基準法、道路斜線制限などのキーワードが出てきたと思います。まさにこれらが原因で思い描く屋根にできない場合があります。ですが全ての土地で当てはまるというわけではありませんので、新居を建てる際は土地の情報も把握しておくようにしましょう。

困ったときは業者に相談
たくさん種類があって選ぶことができない…と感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。実際それぞれの屋根にメリット・デメリットがあるので、「これだ!」とすぐに決められる方は少ないので当然だと思います。ですので困ったときはまず業者と相談してみましょう。何となくのイメージでも伝えることができれば最適な屋根を提案してくれます。煮詰まってしまったら気軽に相談できるというのも覚えておきましょう。

まとめ

まとめ

今回は屋根の形状について紹介しました。終盤は少しテクニカルな屋根も登場してきましたが、ほとんど一般住宅では採用されないので知識として蓄えていただければ幸いです。 屋根は雨・風・太陽などから家を守る重要な部分です。しっかりと特徴をとらえたうえで判断することをおススメします。