雨漏り修理・屋根修理は雨漏りレスキューへ!!

塩ビシート防水

シート防水(塩ビ)って何?メリットやデメリット、工法種類をご紹介!

低コスト・短時間での施行で人気な「塩ビシート防水」。メンテナンスも不要で、長期間にわたって高い防水効果を持続させるので、「防水工事についてあまり詳しくない方」や、「定期的なメンテナンスが苦手な方」でも安心の防水工事です。今回は塩ビシート防水を考えておられる方へ、塩ビシート防水の施行手順とメリット・デメリット、工法種類など詳しくご紹介したいと思います。「どの防水工事を行うか迷っている・・・」「塩ビシート防水を業者に勧められたけど、どんなものか知りたい・・・」という方に是非参考にしてみてください。

塩ビシート防水とは?

塩ビシート防水は、塩化ビニル樹脂を原料とした1.5ミリほどのシートを接着剤や塩ビ鋼板などで固定し、貼り付ける防水工法です。シート状の材料1枚で構成される防水層ですが、防水効果は高く、紫外線や熱、オゾンに対しても優れた耐久力があります。主に障害物の少ない学校や病院、ビル、ALCなどの建物で施行されます。

塩ビシート

シートを貼り付けるだけなので簡単そうに見えますが、実はかなり高度な技術を必要とします。シート防水そもそもの技術者が少ないこともあり、塩ビシート防水が施行できる防水業者は限られているので業者選びには注意が必要です。

施行手順について

まず、施行する場所の端に鋼板という金物を取り付け、ビスで留めていきます。鋼板と鋼板の間は、地震の揺れへの対応、気温が上昇した時の鋼板の膨張による破損を防ぐために2mm~5mmほど間隔を開けます。次にロール状のシートをコロコロと足で蹴りながら転がし、施行場所全体に敷いていきます。端の部分は接着のため5センチ以上確保した状態でシートをカットします。

塩ビシート防水手順

最後に鋼板とシートの密着、シート通しの接合部の溶着を行います。シートとシートの間に隙間が出来てしまうと雨漏りの原因となってしまうため、足や軍手、タオルなどで雑巾かけのようにシート内の気泡を外に追い出して溶着します。

塩ビシート防水のメリット

塩ビシート防水の施行は高度な技術を必要とし、他の防水工事よりも少し値段が高めです。しかしメリットがたくさんあるので、多くの方に利用されています。一体どんなメリットがあるのでしょうか?

  • 均一な仕上がりになる

    塩ビシート防水はシートを貼り付ける工法なので、施行場所の面や既存の下地が凸凹な場合でも均一な仕上がりになります。人目につく場所の防水工事を検討しておられる場合は、仕上がりが美しくなる塩ビシート防水がオススメです。

  • 強い強度・耐久性

    塩ビシート防水は紫外線や熱、オゾンにとても強く劣化のスピードが他の防水工法と比べて遅いという特徴があります。上から保護塗料を塗ると、さらに耐久性が増すのでオススメです。また、屋上やバルコニーの防水トラブルで防水材に鳥が穴を開けるという問題が多く発生しています。塩ビシート防水はシート自体の強度も強く、穴が開きにくくなっておりますので、その点でも安心してご利用いただけます。

    塩ビシート防水
  • 短時間での施行が可能

    塩化ビニルシートは軽量でやわらかいため、持ち運び、取り回しも楽で短時間で施行する事が可能です。ウレタン塗料などとは異なり、施行後に乾かす工程が必要ないのも特徴です。

  • 建物に負担が掛からない

    塩ビニルシートは軽量なため建物に負担を掛けません。

  • 自己消化性を持っている

    塩ビニルシートは燃えにくい性質を持っており、炎が付いても自然と消えていくような素材になっています。そのため、火花が散るような工場内など施行が可能な場所の選択肢も広がります。

  • 寿命が長く、メンテナンス不要

    塩ビシート防水の寿命は約15年~20年と言われています。これは他の防水材と比べても比較的長い寿命で、その間のメンテナンスが必要ないのも嬉しいポイントです。防水工事にかかる費用は高めですが、メンテナンス費用を考えると全体的に低コストで抑える事が可能です。

塩ビシート防水のデメリット

塩ビシート防水はメリットがたくさんあり、低コスト・短時間で施行が可能なのでとても人気な防水工事となっています。しかしデメリットもいくつかあるので、よく理解して工事を行う事が大切です。

  • 複雑な形状には不向き

    シート防水は施行する場所の形に合わせてシートをカットしながら貼り付けていきます。そのため、複雑な形状をした階段やバルコニーなどは施行が難しく、全ての端を完璧に溶着する事が困難なため、逆に雨漏りの原因となってしまう場合があります。

  • 工事費が比較的高い

    防水工事施行後のメンテナンスは必要ないので、全体でみると費用はだいぶ抑えられますが、一回にかかる塩ビシート防水工事の費用は他の防水工事と比べて比較的高めです。

  • 匂いがある

    塩ビシート防水は、塩ビニルシート特有の匂いが施行後しばらくは残ります。屋上などに施行する場合はあまり気にならないかもしれませんが、人通りの多い場所や窓のすぐ近くに施行する場合、匂いが気になるようでしたらあまりおすすめ出来ません。

  • 塩ビシート防水が可能な業者が少ない

    塩ビシート防水は高度な技術を必要としますが、技術者が少ないのが現状で、防水専門業者でも「塩ビシート防水は出来ない」という場合が少なくありません。塩ビシート防水が可能な業者を見つける時は、インターネットの口コミや評判、これまでの実績をよく確認して依頼するようにしましょう。

塩ビシート防水の工法種類

塩ビシート防水には機械固定工法と密着工法の2つの種類があります。施行場所や予算などによってオススメの工法は異なりますので、施行したい場所にどちらが合っているのかよく確認しておきましょう。

  • 機械固定工法とは

    入隅コーナー部分と防水端末部分に鋼板を取り付け、シートを固定する方法です。接着剤を使わず固定ディスクを用いてシートと下地を固定するので、有害物質発生の心配もありません。躯体と直接シートを接合しないため、建物自体が地震や台風などで亀裂・振動が生じても、塩ビシート自体にほとんど影響を受けません。また、溶着は熱風をかけて瞬時に行うため、長期間耐久性の強い接合面を保つことが可能です。絶縁工法のため、シート内の水蒸気が分散し、膨らみが生じにくいのもメリットです。

    塩ビシート防水機械固定工法
  • 接着工法

    塩ビシート防水の工法種類

    塩ビシート防水接着工法

まとめ

今回は塩ビシート防水のメリット・デメリット、工法種類などについてご紹介しました。メンテナンスが不要で寿命が長く、トータルで見ると低コストで抑えられるというメリットがありますが、匂いが気になったり複雑な形状の場所には施行が出来ないなどデメリットもいくつかありました。メリット、デメリットをよく理解した上であなたのお家に合った最適な防水工法を選ぶ事が出来るよう、是非他の防水工事などと比較しながら検討してみてください。